コンセプト|原点という名の本質─ミニマルデザイン

最小限の工芸性に、じつは多くの人は満足している。日常生活での道具のほとんどは、その目的のために最適化されたミニマルデザインだとも言える。もし、そこに装飾がなければつまらないと考えるのなら、それは目的が充分に明確ではないか、装飾そのものが目的のひとつであるか、または一過性の刺激を求めているか。いずれにせよ、存在根拠が浅薄であれば、デザインとしてはいずれ不純物、風化して虚飾となることがじつに多い。


ミニマルな物のみが本質的であるとは言わない。ただ、本質への指向性が、結果としてミニマルを選ぶことはある。ミニマルという様式は、本質を目指す上での有効なメソッドとして、常に選択肢のなかにエントリーできる。在るべきものが在るべき場所に在るという「心地良さ」。存在根拠に窮した瞬間、切捨てられる「潔さ」。無駄を削ぎ落とすということは「価値を濃縮する作業」だと考える。デザインが本質的であるためには、取捨選択において、時に非情でなければならない。

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